カテゴリー: 77y FLH
業務連絡ブログ FLH その5
いよいよエンジン始動ですがその前に動画では説明しきれなかった部分を。

77y前期ショベルはリリーフオイルがキャップを通ってフィードにリターンするシステムで異常なし。
前期、後期切り替わり付近の年式は混ざっているものがあったり、人の手が加えてあったりで要注意です。

よく間違えるここのオイルシールは案の定、向き間違えて組んでありました。新品に交換。

こういう感じ?で裏向き?に組みます。よーく構造を理解していれば間違えません。長期保管後、始動時にブリーザーからオイルが多く排出される車両はここ怪しいかも。。。


不要なチェーンオイラー、ホースにネジブッコミ、バンド固定だとオイル滲むので確実にせき止めます。

印の部分、クラックというよりは元々の鋳物製造不良でしょうか。いずれにしてもこのクランクケースの大きい部屋はオイルリターン、小さい部屋はブリーザー排気という別の役割ですので、ここをオイルが通ってしまうと、ブリーザーからのオイル排出が増える原因に。


アルミ溶接からの面だし。

ガスケットも部屋が分かれているのには理由があるんですね。

タペットガイド、奥のガイドに削った痕跡があり。。。怪しいので組む時によーく確認が必要です。

なるほど、カムとの干渉の為ですね。ただ、削る位置がイマイチでクリアランスが微妙。
ギリギリですと、ガスケットの厚みの関係だったり、後の増し締めなんかでカムのクリアランスがなくなると危険です。

安全のクリアランスに修正しておきます。
なぜこうなったかはわかりませんが、もう50年以上前のバイクです。新車生産時に干渉、ファクトリーで組立時に修正してたとしても不思議ではないと個人的に考えます。今じゃ当然考えられませんが。

前回安物ガスケットが原因でオイル抜けしていたヘッド部、必ずファイヤーリングタイプを使用します。

点火もバラシてグリスアップ

オイルの循環もオーケー。
元々組んであった状態が正解とは限らず、確認、測定、調整に時間を費やし、組んではバラシ、3歩進んで2歩さがる。
何度やっても毎回全く同じにならないショベルモーターはとっても奥が深いです。
慣れない動画編集くたびれた(笑)
今回は遠方のオーナー様のためにと思い製作しましたが、動画は分りやすくて見てる人側は良いかもですね。
マンガ派よりアニメ派?みたいな感じ⁉
エンジンなんかは組んじゃうと中見えませんからねぇ。
そんな感じで動画はちょこちょこ作りたいと思います。
もうちょいこのシリーズ続きます。
業務連絡ブログ FLHその4
業務連絡ブログ FLH その3
業務連絡ブログ FLH その2
内燃機から作業が上がってきまして組立作業に入ります。

今回予算の都合上ピストン交換なしでホーニングのみの作業。極力内径拡大しないように加工しましたので傷はとれきれていません。
が、この程度ならエンジンコンディションに影響はないでしょう。

いつものシール仕様。
遠方のオーナー様のためにより伝わりやすくと思い、今回動画にしてみました。動画初心者なので細かい編集は温かい目で見てください。
まだまだ続く。
業務連絡ブログ
世間ではPAYPAYだ何ペイだ騒いでますが、なぜか当店のお客様には超アナロギーな方が多く、(そういう自分も世間から取り残されたアナログ人)LINEすらやってませんという人の多さ。。。
近所の人ならいいんですが、当店では遠方からのご依頼も多いのでブログ利用して業務連絡。
電話だけじゃ伝わらんでしょ。

普段このブログは過去の整備を載せてますので、載せている記事はすでに納車済みの車両ってケースが多いんですが、今回のは業務連絡も兼ねてますのでタイムリーです。。。

まずいきなり今回の不具合のメインから。
ヘッドガスケットの抜けです。本来密閉されているはずの青の部分がオイルまみれです。
原因は恐らく安物の粗悪なガスケットの使用だと思われます。分解時にヘッドボルトの緩みは感じられませんでしたし。


バルブが真っ白です。セッティングが薄すぎると思われます。アイドリングしないのもキャブのセッティングが関係しているでしょう。

前回の修理がエキゾーストバルブのみだったようでインテークバルブにダメージあり。
せっかくバラシたのだからどうせなら同時にやってしまえば良かったのに。

ピストンは再使用の可能性があるのでこの時点ではダメージを与えないように自作ツールで分解。
その際はピストンを温めて熱膨張も利用。

シリンダー測定結果は良好。

ですが気になる縦キズあり要相談ですね。
カムはHカムでした。参考までに。

スラッジ凄いけどオイルポンプコンディション良いです。ここは助かりました。

ただしシャフトは摩耗がありますので交換したほうが良いですね。

タペットローラーにガタがありますのでここは絶対やりましょう。
走行中にベアリングがばらけた車両を何台も見たことがあります。
ベアリングの破片がオイルと一緒にまわり、オイルポンプやブリーザーを次々に破壊して最悪クランクケースが。。。となる前に。

カム周辺もご覧の通り。カムカバーガスケットを見ると左下のちっちゃい部屋がありますね。ガスケット不良で大きい部屋と左下の小さい部屋の気密が保たれていないとこれまたブリーザーからのオイル吹きが起きたりします。クリーニングしてニューガスケットで組んであげましょう。

それとガソリンタンク内が非常にコンディション悪いです。旧コーティング剥がれ、錆、一番厄介なパターンですが剥離、錆取り、コーてぃんぐオススメです。
ざっとこんな感じですが、しっかり治せばバッチリ調子良くなりますよ♪
ご予算もあると思いますので再度個別にお見積りご連絡致しますのでよろしくお願いいたします。