お待たせしております。オーダー車両Sさまのショベルリジッド製作の様子をご紹介です。
内容が多すぎるので要所をピックアップしてご紹介。
まずはエンジン分解、点検。オーバーホールプランを検討します。
組まれていたバルブは摩耗が見られるため交換
↑これも使用しません。基本的な考え方として長寿命でトラブルを最小限に抑える方法を常に選択していきます。
それ故にどうしても作業にお時間がかかってしまいますが全て最善を尽くすことで納車後のトラブルや不調等は皆無です。
エンジンの一番の軸となるクランク。それに本来は存在しないキー(左のシャフト)加工を施します。
これが本来は存在しないキー溝です。
ここはマニュアルですと半端ない力でネジ締めてね!じゃないと空回りしちゃうよ!って感じですが半端ない力で締めるといろいろ良くないよね、ってことでキー溝加工をすることによって半分以下の締め付けトルクでも空回りを心配することなく組むことが出来るようになって心臓部を精度高く組み付け出来る素晴らしい加工です。
締めすぎで歪んでしまっているものや、弱くて緩んでしまっているものを良くみかけます。
ここを後々やろうと思っても出来ません。
ケースのネジの面は綺麗に平になるように修正しておきます。
心臓部クランクのバランスを取ります。穴をポコポコ開けているのは重さを場所によって調整しているためです。
これによって回転がスムーズになり、不快な振動が無くなります。
振動がゼロになることはありませんのでご安心を(全く振動しないとなると皆さんが求めるハーレーではなくなる笑)
不快な振動とは例えば高速走行などで手が痺れてくるような振動です。バランス取りが無加工となると、「おきあがりこぼし」のようになります。
今の人知らないかな(笑)ググってね♪
ショベルの鼓動はビンビンに来ますよ♪
バルブガイドは長寿命の材質で一から製作。ガイドシールは現在の自動車と同じ構造のものを使用します。過去ブログご参考に。
ばねの力チェック。
カムのタイミングを見やすいこの状態でチェック。
このカムタイミングというものが厄介で、タイミングがズレていても普通に組めてエンジンが掛かってしまい、見た目ではわからなくなってしまいます。
ですがその後、謎のエンストが起きたり、エンジンが掛かりにくい車両になったり、それらはキャブの調整などを行っても改善されない為に不調に悩まされてしまいます。
点火やキャブの調整を行っても不調から抜け出せない場合はここからやり直さなければなりませんね。
ワープしてトランスミッションです。
弱いポイントのオイルドレーンを純正に拘らずに改造してしまいます。
ミッションオイルの交換の作業性が悪い為、ネジが斜めに入ったりしてドレーンのネジ穴を壊しやすい為、↑↑の真鍮のフィッティングを取付てホースを伸ばしてオイルドレーンを新たに設けます。
これは高年式のハーレーに採用されている方式です。
高年式に採用されているということはそういうことです。(笑)
純正に拘るよりも後々のトラブルが少ない方を選択します。
ワープしてドラムブレーキ。新品のブレーキだとしてもブレーキの研磨とシューの製作を国内でやり直します。
ドラムブレーキが効かないって話をよく聞きますが上記の加工でしっかり効くブレーキになります。
ここまで手を加えてますがオーナー様のご希望により見た目はヤレ感という。
バイクも男も中身が大事。
車体製作前の準備だけでお腹いっぱいですね(笑)
ですがご紹介できたのはほんの一部(リアルに3割程度)でこのような作業の積み重ねで膨大な時間が掛かってようやく当店が提供しているクオリティ車両になります。
ここから車体製作に入っていきます。
完成までお時間頂きますがよろしくお願いいたします。
なるべく詳しくない方にも思いが伝わるように分かりやすい言葉を選んでみました。
車体製作編もお楽しみに♪