クラッチを切っても前に進んでしまいエンストするアイアンの修理です。
この車両は本来セルオンリーのセルを外し、クラッチシェルを前期タイプのものに変更してキックオンリー仕様にしている様子。
それ自体は問題ないのですが、この前期タイプのクラッチがアイアンオーナーを悩ませる、「プライマリーは湿式だけどその中のクラッチは乾式、だけど結局湿るクラッチ!」です。
しかもこの車両は乾式にするためのドームカバーが付いていませんでしたので湿り放題です。クラッチがオイルで張り付いていました。
尚且つフリクションディスクがアルミ製ってのが良くないとミタ!アルミの熱膨張でクラッチ内が狭くなってしまうんですね。
フリクションディスクを乾式、湿式両用タイプに変更、なぜか新しいフリクションディスクがキツくて入りません。0.3~0.4mmほど溝が違う。。。
ディスク一枚に対し溝が12か所、そしてディスク7枚あるので合計84か所の修正が必要。
ヴィンテージハーレーの整備はこういう試練がサラッと訪れます。(笑)
大残業決定。
ハイ!液体ガスケットは使用する派です。なぜなら漏れ止まるから。液ガスいろいろ使った結果3Mよりもドライブジョイ製がオススメ。
でも見た目ベタベタなのは嫌いなので必要最小限で。プライマリーの場合だとオイルは満タンまで入るわけではないので写真の感じで。
こんな感じで底側を重点的にやっとけば〇
クラッチケーブル周辺もなんやかんや
ディストリビューターもなんやかんや。ここグリスアップしてない車両多いです。エンジン掛かってる間はずーっと動いてるからそりゃ潤滑カラッカラで乗ってればガタでまっす。
クラッチケーブルは見た目よりも一番クラッチケーブルの握りが軽くなる取り回しで。取り回しがきつくなるとレバーが重くなります。
あと本当に基本中の基本のレバーのピンをグリスアップしたりして、当初の握力トレーニングレバーがめちゃくちゃ軽くなってオーナーさんも大喜びでした。クラッチ重い人は意外と見落としがちの基本のレバーからケーブル、クラッチと順を追って点検してみてください。
ご依頼ありがとうございました!