今回のOHはここまでの分解プラン。とりあえず洗浄、汚れだと思っていたらペイントのエンジンでした。通りで落ちないわけです。
ひたすらワイヤーブラシしか方法がありませんので本当にひたすらゴシゴシ、作業の合間でも気が向いたらゴシゴシ、帰る前にゴシゴシ。
エンジンのルックスも今回はあんまり奇麗すぎる感じだと違うので様子を見ながら♪
リクエストのタイミングホール修正。これならリコイルで修正可能です。
配線は修理された後あり。発電は確認していましたが、この状態なので後々のことも考え、オーナー様にご了承頂きましたので交換の方向で。
タイミング確認用のクリアプラグが使えるようにオーバーサイズではなくリコイルでSTDサイズに再生。
カム回り分解
僅かな違和感があったら必ず作業ストップ。原因がわかるまで調べます。キー溝周辺の寸法、3/100ミリ変形による渋さ。修正、研磨で再使用します。
こちらの車両はオイルポンプが社外のものに変更されていました。僕の予想ですが、前後のシリンダーが異なっていることから、以前OHをしたのちにFピストンピンクリップが外れ、フロントシリンダーに深い傷が入り、シリンダー死亡、Fのみやり直し、破片がオイルラインを回ってしまい、ポンプも同時に死亡、交換、という感じだと思ってます。
ピストンピンクリップだと思った理由は、シリンダー交換するほどのよっぽどのダメージがあったことと、ピンクリップが前後のピストンで異なるタイプを使用していたため、前作業者が対策と考えて部品を選択したのでは?と考えたからです。
そこまではよかったのですが、交換したポンプが年式と合わず、リリーフ機能していませんでした。
リリーフとは高回転時にオイル圧力が上がり過ぎた場合に逃がすことです。
この車両はそれが出来ていないまま走っていたようですね。圧が必要以上に上がるのでオイルはどこからか逃げたくなってオイル漏れ多発していたんだと思います。
旧車ハーレーオイル漏れは当たり前
残念ながらこういった人災被害を受けた車両を数多く見かけるのも事実です。オイル経路を間違えていてもポンプ自体の取り付けは可能なので。。。
この辺は年式により細かい違いがあるので注意です。ご自身の愛車は大丈夫でしょうか?
冶具を利用してナナメ穴加工、ドリルが折れたらケース終了なスーパーエキサイティング加工、確実に穴あけ。
圧が上がり過ぎた時にケース内に戻す仕様です。
これでよし!
プライマリーへのオイルシステムはすでに変更されていました。
ゴムキャップやホースにネジを刺すやり方だとオイル止めきれずににじむので、ネジプラグで確実に。
こんなのでチェックボール当たりもチェック。久々のエンジン始動でブリーザーからオイル吹く車両はここをチェックですが、多くの車両の原因は別にあります。がそのお話はまたの機会で。
仮組して手でポンプがスルスルに回るまで調整。負荷の少ないエンジンを目指します。
オッケーならもう一度ばらして確認、給油して本組。時間が掛かる理由は仮組→分解→本組と組んだりばらしたりなんてやっているからです。また、場所によってはココ組んだらここチェックできんな~みたいな感じなので考えながら進めています。
オイルポンプの件もそうですが基本、他人の作業は疑いまくりで作業を進めます。元の通りに組むなら誰でも出来ますね。
ほとんどの時間を確認に費やします。その時間は決して無駄ではありません。何事もなく進むことが良いですが、ショベル以前の車両だとそんなケースは稀ですし、むしろその逆パターンが多いですね。。。
このシリーズは少し長引きますね。作業の方も最後まで気を抜かずに進めます。