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カテゴリー: 知ってると得する豆知識

ショベル リッチモンド車検 ②

動画は前期ショベル、バナナキャリパーの調整&引きずり気味で乗っていたためのディスクローターの歪み

ここから画像拝借系

ドラムブレーキからディスクブレーキに切り替わる時代。ショベル前期で採用されたバナナキャリパーはピストンにスプリングを付けてリターンさせる構造。

このキャリパーがざっくりいうとパッドの隙間をメカニックが調整してあげないといけない構造。ブレーキパットが減ったらまた、メカニックが調整。その調整もシリンダーの摩耗などで上手くいかないことが多発。Oリング後ろの圧入具合を調整しなければなりません。圧入具合を調整?出来ますけど結構難しいです。

OHしても暫く乗るとまた引きずりなどが発生したり、、、どうしてもフルノーマルにこだわりたいという特別な理由を除き、社外や、後期キャリパーなどへの交換をオススメします。

前期ショベルのバナナキャリパーがダメだったのですぐ後期ショベルには構造が改善されました。それは現在に至るまで変更のない優秀な構造です。

 

 

後期ショベルは現行車と同じ構造です。ドラムブレーキではブレーキシューをスプリングで引っ張ってますから、ブレーキを離した後にシューが戻るのは分かりますが、このピストンはリターンスプリングありません。ブレーキを踏んだ後、どうやってピストンが戻っているか、ご存知ですか?

ズバリ、ピストンシール断面が四角いからです!

画像のようにゴムの弾力分ピストンが戻ります。なので戻りが悪い時はシールの劣化を疑えば〇

 

 

 

戻りやすいようにピストンシールの溝はじつはテーパーになっています。これならパッドが減ってもパッドとディスクの隙間は一定の自動調整システム。

当たり前と思ってることが実はとても計算されているということ。

そしてやっぱりブレーキなのでしっかりしてないといけないということ。

 

バナナキャリパーボディのガタばかりフューチャーされていてもっと重要な前期、後期の大きな違いを知らない人が多いのが個人的に???

 

ちなみに見分け方はブリーダーサイズで分かります。お調べください。もちろんピストンだけ後期型にとかは出来ません。

 

前期バナナキャリパーのOHも出来ますが、金額が結構びっくりかもです。前期バナナで行きたい方はパットが減ったら定期的に特有の調整、メンテナンスをおこなってください。走行後にキャリパーが熱々になっていたらキャリパーOH&ディスクローター交換が必要ですのでご入庫下さい。

 

 

ということでリアブレーキシステム一新。

引きずりで歪んでしまってるローターも交換。

絶対緩んじゃいけないとこはセーフティ加工。

パットの面取りは左右のみ。上下を面取るとパットが減るごとにディスクの当たり方が変化してしまいます。

社外キャリパーキットに交換。新品でもチェックチェック。

 

 

 

 

 

タブを追加。これで改善と思ったら今度はマスターシリンダー側のステーが強度不足。。。

簡易的ですがこれでやっとかっちり効くブレーキに。ブレーキパイプは製作しました。

ブレーキは最重要ですね。ありがとうございました。

ショベルのクラッチ

エンジンかかりません。。。ということでお預かりのショベル。

お電話では「キックが軽い」とのことでプッシュロッドかな~と想像してましたが預かってみると、原因はクラッチの滑りでした。(最後に動画あります)ショベルのキックスタート車両はキック→クラッチ→プライマリー→エンジンと力を伝えていきますのでクラッチもエンジン始動に重要な要素です。

この車両は一枚目写真の真ん中クラッチ調整ボルトをグリグリにねじ込んでいたのが滑りの原因でした。オーナー様に再度確認しますと、以前からギヤを入れるとクラッチを切っていても前に進んでしまう症状があったそうで、他店にて修理依頼されたそうです。これがショップの仕事とはがっかりです。

つまり直すべきはクラッチの切れ不良です。

切れ不良の原因は意外なものでした。新品のスタッドだと問題ないですが、車両のクラッチスタッドとディスクの入りが微妙に渋いです。(微妙なので普通に組むことは可能)

このためディスクの動きが悪く、クラッチを切ってもディスクが離れずに前進してしまうんですね。

でもなんで渋いんでしょう。。。

 

犯人はこの溶接修理です。スタッドの角度が溶接修理により僅かに歪んだのでしょう。原因がハッキリとしたのでハブスタッドは交換。いろいろ振り回されて長いことオーナー様を悩ませた問題もこれで解決です。

滑り気味で乗っていたことが原因でディスク、スチールプレートは摩耗大で交換。シェルも一番奥がかなり摩耗してしまいました。

裏技でスチールプレートを一番奥に入れてしまいます。シェルを交換せずにすむので費用を抑えることが出来ます。

ノーマルより一枚多くなりますのでシェル内のスペースやスプリングの組み合わせなどにより、出来ない車両もあります。

ロッカークラッチはいつものペダル高さとスプリングテンション変更、かかとガードも取り付け

この辺も一台一台ベストな調整が異なるので毎回、手間をかけて一番乗りやすいように製作しています。

さらなる安定を求めてSUキャブから持ち込みのCVキャブに変更、ステーワンオフ

NGKプラグのBPとBPRの違いは(R)R抵抗入りです。抵抗入りによってノイズを防止していますので、当店ではポイント点火車両はBP、ダイナSやその他電子メーターなど取り付け車両はBPRと分けていますのでプラグ交換。

ショベルのミッションは現代の自動車と違いノンシンクロミッションですので、シフトの際は乗り手が回転を合わせる必要があります。

 

クラッチの滑りはクラッチにマーキングをしてキックorセルにてクランキングすることで、セルフチェックが可能、動画は滑りが酷く一目瞭然ですが、微妙に滑っている場合でもマーキングするとわかりやすいです。

 

クラッチの切れが悪いとクラッチを切ってもクラッチプレートがグルグル回り続け、1速のシフトショックもガチャンと大きくなります。(勝手に進んでいかなければそれでも問題はない)

 

クラッチの切れが良いと動画のように勝手にプレートが停止します。ただ、これもひとつ難があり、停止した位置がギヤとギヤの歯が丁度当たってしまう位置ですと、一時的にギヤが入りません。つまり!クラッチの切れが良すぎてギヤが入らないという状況が起きます。

 

これは構造上のもので故障ではありません。(これを解消したものが現代の自動車に採用されているミッションのシンクロ機構)

 

簡単な解決方があります。

 

それはクラッチを切った直後、惰性で緩ーく回転している間にシフトを入れてあげればいいだけ。

 

本当はクラッチを切ったときに緩ーく回り続けているのがベストな調整ですが、オイルに漬かっているならまだしも、乾式のオープンにしてしまうとそこの微調整は狙って出来るものではありません。

 

クラッチの切れが良すぎても前述の乗り方で解決出来ます。ご自身のクラッチはどんな状態かセルフチェックしてみてください。

 

50歳過ぎてから初ショベルのオーナー様の為にクラッチ、キャブと乗りやすさを追及しました。ご依頼ありがとうございました!

ショベリジ 👍コンディションになりたい。。&キックスタートの極意

バルブガイド製作シートカット完了。組んでいきます。

 

オリジナルガイド&オリジナルシールでくみ上げ。写真ないですがシールを組む時はバルブの段のところでシールがいきなり傷つかないようにセロハンテープで保護しながら組みます。

ヘッドガスケットはファイヤーリング、ここは絶対ケチらない。

油圧プッシュロッド調整はゲージを使用したり、何回転戻しみたいなやり方はせず、「油圧をほぼソリッド」に組みます。これにより、長期間エンジンをかけなくても油圧の低下が無く、すんなりかかるエンジンになります。走行時のタペット音もないのでこれが一番好きです。

ただ、この調整方法は調整時に誤ってキックをするとエンジン破壊というリスクがあるので人には教えません。(責任とれないので)

キックしないように写真はキック外してますね。。。

 

 

これはキャブのステーを本締め固定した時にマニホールドが一番いいポジションに居るかのチェックです。

ステーを締め付けた時にマニが引っ張られてしまう時がありますがキャブを組んでしまうとよくわかりませんので単体でチェック。

 

元々のマフラーがステー無しでそのままだとヘッドのネジ飛んでしまう感じでさらに気に入ってないマフラーだったので変更。

リクエストの2イン1マフラーはミッドコントロールだと付かないだろうなーとふわっと思いながら「なんとか付きますよ」と簡単に言ってしまい

ほぼフル製作(笑)

はい。完成でございます。

Eキャブに変更

 

 

乗ってみたらアレっってなってクラッチもディスクなど交換。

カスタムロッカークラッチはヤレ仕様。

とっても乗りやすくなって最高です。

ピカピカ嫌いなオーナー様のためにマフラーもええ感じにしときました。

 

冷感時始動が1時間かかっていたのが1分に(笑)

ここでキックスタートの極意(個人的意見)

〇始動時キャブからくしゃみ→薄いので空キックやチョークを利用してガソリンを濃くしてください。

(”クシュッ”の次のキックは排ガスがエンジン内に滞留していてかかりません!空キックからやり直すのが大事)

〇始動時うんともすんとも言わない→ガソリンが少なすぎor多すぎ

少なすぎ→コックオン確認して問題なければチョーク、空キック多めで再トライ

多すぎ→プラグ濡れてますのでプラグ交換して再トライ

〇空キックも手を抜かずに本キック並にしっかりと蹴ること

〇二週間以上乗らなかったらキャブ内のガソリンを一度捨ててからコックオン

(キャブ内のガソリンは酸化が早いです)

〇疲れたら休む(ヘロヘロキックだとかからない時あります。)

 

*厳密にいうとEキャブはチョークとは構造が違ってエンリッチナーって名前ですが、ややこしくなるし、もうチョークでいいです。伝わればいいです。

 

 

上記の方法で数回蹴れば大抵かかります。かからない場合はどこかしら不具合があり、その多くは簡単な調整で改善できる場合がほとんどですのでショップにピットインしましょう。

 

 

調整全部やってもダメな場合はエンジンオーバーホールの時期と考えてもいいかもしれません。

 

 

それとキックスタート初めての方に多いですがキックの練習として自宅でエンジン始動して走行しない(完全暖気しない)でキーオフ、始動してキーオフを繰り返すとプラグが完全に焼けずにススが溜まり、練習のせいで始動困難になります。エンジン始動したら走りましょう。30分ほど走れば〇です。

 

始動方のアドバイスなども店頭でよくやってますのでお気軽にお問い合わせください。

楽しいヴィンテージハーレーライフを。

ご依頼ありがとうございました!

♯プラグ交換♯プラグチェック

FI車の誕生によって車もバイクも移動手段としてはとても便利なものになりました。冬でも一発始動、一年中調整不要、すぐにエンジン始動してすぐ発信。

 

ですがそれだと物足りず、やっぱり自分でいじりたいと私自身も思ってしまう派。

キャブのスクリューは何回転?ジェットはこのエンジンだと何番?

初めてショベルヘッドを手に入れた時は、コンビニに止めてはプラグをチェックしてネジをぐりぐり、毎回試乗で本番はいつなんだ?と思ってしまうほどでした(笑)

それでも季節の変化や微妙なエンジンの声に耳を傾けて、アジャスターと格闘し、その時のベストな走りが自分の手で出せた時は、なんともいえない喜びを感じ、走りの楽しさを感じました。

 

前置きが長くなりましたが、よく見かけるこんな画像。

濃いのか?薄いのか?気になってしまいますが、まず最初にこう思います。

「あぁ、締め付けトルクが弱すぎる」と。

 

スパークプラグの締め付けの基本はワッシャーが潰れるまでしっかり締め付けることです。NGKのプラグを例にしますが、箱を見てみるとそのことが絵で記載してあります。

 

私の想像で文章を追加します。

①取り付け前にギャップが適正か確認してください。→よくプラグを落としてここの隙間がなくなってしまったりしますね。

②最初は手で回らなくなるまで回して下さい。→いきなり工具を使って回してナナメにかんだりするとネジ山を壊します。

③そこから新品の場合は1/2~2/3回転ワッシャーが潰れるまで締め付けてください。再使用ですでにワッシャーが潰れている場合(矢印の部分)は1/16回転締め付けてください。

! 空飛ぶ乗り物には気を付けて?

 

なんです。新品と再使用で締め付けがかなり違います。

こんな感じで特殊なワッシャーが潰れるためです。

 

ですが、♯プラグ交換♯プラグチェックてな感じでちょっと覗いてみるとワッシャーが潰れていないことのなんと多いこと。ワッシャー付近までススで汚れているのもありますね。セッティングや火花うんぬんの前に圧縮漏れてると思います。

ネットの情報で「強く締めすぎるとネジ山を壊す」という意識のためと推測しますが、弱すぎても。。。

ネットの情報に踊らされてる感がありますね。(このブログもネットの情報ですよ)

 

 

新品プラグを締め付けるときはワッシャーが潰れるニュルーとした感覚と潰れきった後のキュッと締まる感覚があるのでそこまでしっかり締め付けましょう。それでネジ山が壊れるようならどっちにしろ修理しなきゃダメってことです。

 

 

また,プラグがカブっても清掃すれば問題なく再使用出来ますが、意外に重要なのは「ネジ部も奇麗にする」こと

かじり防止の意味もそうですが、ネジ部はアースポイントなんです。中心電極からスパークした電気は外側電極を通ってネジ部からエンジンにアースされていきます。

このネジ部がカーボンで汚れているとみんな大嫌いなアース不良で失火の原因にもなるんです。

 

いやいや、ちゃんと火花チェックしたっす。強い、青白い火花飛んでました。

と思っても良く見てください。外側電極をエンジンに触れさせて火花のチェックってしますよね?

本来外側電極は燃焼室の中で浮いてますので、実際の火花とは異なる場合が出てきます。

電気さんはそこなら元気よく流れてくれるのに、その先のカーボンだらけのネジ部はすんなり通ってくれなかったり。

まぁ難しいことは忘れても良いので大事なことは「ネジ部はキレイに」ブラストが使えれば簡単ですが、ない場合がほとんどだと思うのでワイヤーブラシでネジ山にそってゴシゴシ清掃、(中心電極は傷をつけないよう注意)かじり防止剤も塗っておけば👍です。

 

スーパールンルン号(SR400)のセッティング中にふと思い、たまにはこんなブログも書いてみましたよ。この記事によって誰か1人でも悩める不調が解決できたら幸いです。

エボリジ 車体回りとシートといろいろ

作業場の整理整頓を始めたら丸2日かかってしまい、アツさのせいでバイクをいじるよりへとへとになり、とりあえずブログでも。。。

 

エボリジさんネックベアリングレースから。。。

ベアリングレース圧入。このために用意してあるバカデカイボルトナット。

ハンマーでコンコン入れると斜めになるだけでなく、打痕がついたり、変形したりといいことないので。

持ち込み頂いたパーツ軍のセットですとタイヤがフェンダーに当たり、取り付け不可。チェーンも長さが足りません。

オーナー様と相談しまして今回はスプロケットサイズを変えて対応しました。

専用工具でカシメ

ミッドコンに変更で社外スタンド取り付けですが、これまた取り付けのベースがないので製作します。

こんなんでも考えるのと作るのでまぁまぁ時間かかるから嫌だなぁー(笑)

 

こんな感じ。

このエボリジはセルオンリーですが、キックの車両はプレートを極厚に作った方が良いですよ。

何故かは言わずもがな。

 

   

そしてスタンドのこのトップのネジ良く緩みますね。何故か一歩踏み込んで説明します。

 

ここは四角の穴とシャフトで空転しないようになってますが、当然「遊び、ガタ」は存在します。

なのでトップのナットを時計回りに締めるとストッパーも一緒に時計回りにぎゅーっと締めたときにずれます。

スタンドを出して車体を立てた時、ストッパーにかかる力は反時計回りなんですねー。

そしてナットを締めた時にストッパーは時計回りにズレてますので遊びは緩む側にあります。

そして車体を何度も立てる度に緩む方向に力がかかって緩んでしまうんですね。。。シャフトのガタが大きくなってる車両はすぐ緩んでしまいますね。キックで掛かりの悪い車両は何度も何度も緩める方向に不可が。。。。

 

解決策は簡単。ナットを締める時にスタンドを引っ張ってストッパーを押し当てた状態(スタンドを出して車体を抑えている状態をつくる)でナットを締めこみます。こうすることでストッパーはナットと一緒に時計回りにズレません。スタンドをだして不可をかけても反時計回り側にガタはないので緩みません。

 

僕が整備をする上で大事にしているテーマは

「行動力と探求心」です。

 

行動力。。。やり直すと分っていても、、、大丈夫だと話は聞いてたけれど、、、とにかくやってみる。試す。トライ&エラーを繰り返して得た経験はネットに溢れた無責任な情報より数倍価値があると思います。そして実際に足を運んで情報を得ることの大切さ。

探求心。。。すべてにおいて「何故だろう」と思うこと、なぜ緩むのだろう。。。なぜうまくいったのだろう。なぜこの形をしているのだろう。。。

不具合がある場合だけでなく、上手くいったときでもなぜ?と一回考えるようにしています。

 

なんでも振動のせいにしたり、緩み止めを塗ったとしても根本の原因を改善しなければ、防止できたとは言えません。

ネジに関してだけ言えば、緩む原因もそれぞれなので、対処、防止策も適材適所でそれぞれって感じになります。ゆえに組み上げはホント時間かかる。。。

組んでしまえばなんてことはない。。。ただもうあなたにはこのトップナットの「緩まないオーラ」が見えているはず(笑)

シャフトが渋いのでしゅるるんと入るように修正。

いろいろあったし話も長かったからようやく着地

追加でシート製作。純正バッテリーが収まるサイズで製作しようとしたらなんかすごい出る。

小さいバッテリーを使うことに

じつはこの車両特別に製作されたショートホイールベースのフレームなのです。なのでハードテールの角度がきついんですね。今度はスッキリ収まりました。

FRP

出来た。自分でFRPやるのは初めてだけどなんとかうまく出来た(笑)

全体像が見えてきてテンションup!まだあとハンドルとナンバーと配線と。。。。

 

たまにはブログもがっしり書いてみましたがまた忙しくなってサボるかも(笑)長々とお付き合いありがとうございました。

 

作業場もスッキリしたし、頑張ろーっと♪

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